さて、今日は以前からよくいただくご質問、「メディカルアロマ」についてです。
実はわたしがアロマセラピストの資格をとろうと思ったとき、最初にぶつかったのがこの
「メディカルアロマと普通のアロマってどう違うの?」ってことでした。
「メディカルアロマ」と名前がついてるほうがなんか「効きそう」「体によさそう」、下世話なところでは「仕事につながりそう」とか思い😅、その名を冠する資格がとれる学校に行くべきか、それとも・・・と迷いました。
調べてみると、海外のアロマ事情と日本の現状との違い、また所属する団体などによっていろんな考え方、捉え方があるのだなということがわかりました。
(最終的に、今の日本の主流である資格を取得したのですが😅)
そうしたことをふまえ、一個人アロマセラピストとして思うのは、
アロマテラピーは感性型。
メディカルアロマは理論型。
っていうのが一番わかりやすいかなあってことです。
好きな香りを嗅いで、ほっと癒やされたり、明日への活力がわく。
本能で香りに惹かれる。それが一般的に言われるアロマテラピーの魅力です。
だからといって科学的な裏付けを重視しないわけではなく、成分から紐づけられる作用や改善への効果もしっかりと意識して、精油を選んだりブレンドをします。
たとえば、この香りなぜかわからないけどすごく好き!→ へえ〜鎮痛成分が入ってるんだ→ 頭痛が気になる私にちょうどいいな→ 体が求めてるのかもね。だから癒やされるんだ→ じゃあこんなブレンドもしてみよう、みたいな。
このようにアロマセラピーには、科学的な論拠だけでは割り出せない心理面での作用も実感として確かにありますよね。
5000年も昔、古代ギリシャ時代から宗教儀式や健康療法として受け継がれてきた歴史からもそれは明らかです。
対してメディカルアロマは、精油が持つ成分を知り、科学的な裏付けやデータをもとに理解して活かしたいという考え方。
たとえば、頭痛が気になる→ 頭痛をやわらげる成分が入ってる精油はどれ?→ ふーん、いくつかあるんだ。この中なら、この香りが好き!これにしよう、といった感じ。
この場合も、求めてる成分が入っていれば香りはなんでもいいというわけではなく、本人が心地いいと感じられる香りでなければ、その科学的効果は得られないことが実験でも示されています。
つまり、両者は入り口が違うというだけ。
アロマテラピーは、香りファースト。
メディカルアロマは、効能ファースト。
人にたとえるなら、アロマテラピーは感覚派のクリエイター?
メディカルアロマは、ちょっと頭でっかちな優等生?
例えが適しているかどうかはおいといて😅
なんとなくイメージしていただきやすいのではないでしょうか。
そして、この両者に大きな違いも優劣もないのだなというのが私の捉え方です。
わたし自身、お客様のお悩みや状態、気分にあわせて、ときには香りファースト、時には効能ファーストで精油選びをしています。
さて、ここで日本のアロマセラピーの歴史についてもぜひ知っておいていただきたいのです。
あなたがアロマと出会ったのはいつごろですか?
わたしが覚えているのは、バブル真っ盛りの1980年代。
進学で大阪にやってきて、確かソニプラとかの輸入雑貨屋さんではじめて目にし、なんかおしゃれ〜とか思って、アロマオイルとそれを垂らして自然蒸発させる陶器の器具みたいなのを買ったんでした。
今思えば、あれはちゃんとした精油じゃなかったなー笑
小さな瓶1本に何千円もお金を使ってるはずがない(貧乏学生だったし)
数百円のたぶん合成香料(きっとラベンダー)を、これがアロマっていうんだー、なんか素敵やん(覚えたての大阪弁)と悦にいってたような😅
「癒し」という言葉も今みたいに流行ってなかったし、わたしもその時はイケイケGOGOで遊び回るのに忙しく笑、それ以上深く掘り下げることなく、単なる「おしゃれなインテリア」としてのブームで終わりました。
さて、資料をひもとくと、日本にアロマセラピーが広く浸透したのは1985年とあります。
記憶と合致でナットク。
きっかけとなったのは、その年に出版された一冊の本「The Art of Aromatherapy(芳香療法の倫理と実践)著・イギリス人のロバート・ティスランド」だそうです。
そのティスランドさんがイギリス人というのが、ひとつの大きなポイントなんですね、実は。
イギリス式のアロマテラピーは、芳香浴やトリートメントを中心とした心身のリラックスやリフレッシュを目的としたもので、日本ではまずこれが主流となったわけです。
わたしが一人暮らしの部屋でアロマ(たぶん偽物💦)で芳香浴をしてたのは、こんな事情があったからなのかーと。
まんまと乗っかってるやん、とあの頃の自分に教えてあげたい笑
そして日本ではその時から精油は単なる雑貨として扱われているので、たぶん価格的に買いやすい、本物じゃないのが輸入されていたってわけです。
でも、あれから30年!(きみまろ風に)
時代は変わりました。
わたしも変わった。。変わり果てた笑
1990年代ごろからはベルギーやフランスで、いち早く「メディカルアロマ」が注目を集めます。
そして長い間、リラックスや癒し、女性のものというイメージが強かった日本のアロマセラピーも、精油の持つ薬理効果に着目してもっと活用し、高齢化の問題とか、ストレスフルな現代の心身の問題とか、広く役立てていきましょうよ、って流れになってきているのです。
精油には不調を予防したり、心身を整えたりするチカラが確かにある。(さまざまな研究が進み、明らかになりつつあります)
だから、さまざまな医療や福祉機関で、アロマを西洋医療を補完する代替医療として取り入れるところが増えているのです。
さらに、高齢化社会が進む日本は国の医療費負担が大きな問題ですよね。
医療費の削減対策として、予防医療(病気やケガにならない、医療費を必要としない)の重要性が叫ばれているのもご存知の通り。
アロマテラピーは、特に嗅覚が脳を刺激することで記憶力低下の改善や、認知症の予防が期待されています。
30年前、何もわからず、ただ「おしゃれだから」とニセモノの精油を手にしたわたし。
今は、世界で最高品質レベルといわれる精油を、精油ボックスいっぱいに持っています(自慢😃)
日本で精油がいまだに雑貨扱いなのは残念ながら変わらないのですが、アロマを知る人は格段に増え、わかる人はちゃんと本物を選んでいます。
でもまだまだ知らない人はいっぱい。(普通はそうです)
昔のわたしみたいに、とりあえず安いのにしとこう、って本物の精油じゃないものを本物と思って選び、んーよくわかんない、飽きたしもういっか、と離れていってしまう人も。
だから、思うんです。
ちゃんとしたものを選んだら、ずっと飽きないし、そばにおきたくなる。
アロマのほんとのチカラを実感できたら、
人生変わるよ。
アロマを学んだ今、わたしが精油の質にこだわる理由。
次回は、ぜひそのお話をさせてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今では日課のディフューザー。今日の香りはフェンネルと涼感ペパーミントです🌱
ちょっと涼しい、気がするー🤗
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