先日、故郷の海沿いでのんびりしてきました。
ちょうど桜の花が満開で、お天気も初夏のようにあたたかく、気持ちのいい日差しと風を浴びているとエネルギーがぐんぐんチャージされていくよう。
年数の経った私の体内バッテリーは、旧タイプの電気自動車並み(愛車です😅)に減りやすいんだなあとしみじみ思いました。。。
景色を眺めながらぼんやりしていると、鼻腔をくすぐる春の匂いに気づきました。
甘いような、しょっぱいような、ちょっと酸味のようなものも感じて。
山の木々や草の芽吹き、潮風、乾いた土の香り・・・いろんなものが混ざった、なんとも懐かしい匂い。
雪が溶けて、やっと外で遊べる!と野山に駆け出していった子供の頃の風景もあざやかに蘇ってきました。
そう、「空気がおいしい」って、こういいういろんな風味(といっていいのかな)が混ざったものを言うのかなあと、あらためて思いました。
ところで、匂いの感じ方って、人によって違いますよね。
ある人には「いい匂い」が、別の人には悪臭に感じられたりすること、よくあります。
精油でも好みがはっきり分かれるものがあり、イランイランやレモングラスなんかはその代表格。
ある人は「はあ〜〜」とうっとりし、ある人には「臭い!」と嫌われています😅
そういった匂いの感じ方は、その人の経験や文化的背景に依存すると言われています。
また、ある匂いを感じることができるかどうかや、ある匂いに対する感度(少しの匂いでも感じることができるか)は、生まれながらの遺伝子によって決まるのだそうです。
匂いを感じる「匂いセンサー」は「嗅覚受容体」と呼ばれ、ヒトの場合、およそ400種類。
空気中の匂い物質が、その形に合う嗅覚受容体に結合する(マッチングですね😊)と、「嗅覚受容体が活性化されましたよ!」という信号が脳に送られ、その情報を「匂い」として認識します。
そして、「およそ」400種類と幅があるのは、人によって嗅覚受容体のマッチングセットが異なるからで、ある人には嗅げる匂いが他の人にはまったくだったり、濃度が濃くないと感じられなかったりするのです。
匂いに敏感な人がよく「あ、なんかいい匂いしない?」と聞いてきて、くんくんしても自分は何にも匂わず残念なこと、ありますよね。
それって、決して自分が匂いに鈍感なわけではなく(多少あるかもだけど😅)、その匂いのセンサーを生まれつき持ってないからなのかも。
なので、「私はその匂いセンサー持ってないから、匂わない」
と堂々と言っていいのです😁
嗅覚に関する研究は、まだまだこれから、なところがあるのですが
現在、多くの被験者に対して、それぞれが持っている嗅覚受容体遺伝子を解析し、その人がどのように匂いを感じているかを推定する研究が行われているそうです。
唾液1滴で、自分好みの香りをつくれる。
近い将来、そんなことも可能になるかも?
そうなったら、私はそうだなあ。
おいしくてエネルギーにあふれた、あの「故郷の春の香り」をつくりたいなあ。
あなたは、どんな香りをつくりたいですか?
気持ちのいい春。風に吹かれながら、そんなことを考えてみるのも楽しいですね。
(AEAJ機関誌No.103「匂いの感じ方の多様性」参照)
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