さて、はじめてのアロマ旅。
お昼に現地集合のため、朝一の飛行機に乗り、福島空港へ。
集合場所はそこからかなり離れた会津田島駅だったので、レンタカーで向かいました。
地元のFMラジオからは、曲の間に放射線量や安全性についてのお知らせがふいに挟まれてドキッとし、ああ、やっぱりここは福島なんだ、と。
日常的にこういうお知らせを耳にする生活に思いを馳せ、復興するまでには大変な道すじだったことだろうと思わずにいられませんでした。
最初ナビは、到着時間は3時間後と表示したのでビビりましたが、走ってるうちにどんどん短くなり、結局ついたのは予定通り1時間半後の11時半ごろ。
会津田島駅は、山間ののどかな場所にありました。
駅の前は広い無料駐車場になっていて、停め放題。
集合時間までまだ1時間あるので、駅の売店をのぞいたりうろうろ散策してると、日本酒の自動販売機を見つけました。
アロマ蒸留ツアーはまだこれからだけど。
繊細な香りをしっかり嗅がないといけないけど。
・・・一杯ぐらいいいよね。
誘惑に勝てず、売店のおばちゃんおすすめの「山王丸」というのをポチッと。
70ccぐらいが200円。
きりっと冷えてて辛口で、うまい。
あっというまに飲み干し、他のも飲み比べたい気持ちがむくむく湧いてきましたが、
そこはぐっと抑えて、あとは大人しくしときました笑
さて、そのうち参加者とおぼしき人たちがわらわらと駅に集まってきて (子供も含め20人ぐらい)スタッフさんの号令がかかりました。
HPの印象から、一十八日のスタッフさんは女性ぽいなと思ってはいたんですが、女性なうえに若い!
代表をされてる方は東京出身で、南会津の自然に惹かれて、こうした事業を立ち上げたというからすごいバイタリティです。
スタッフさんの案内で、さっそくクロモジの自生する山へ移動。
着いたところは、なんとスキー場!
上方に見えるリフト乗り場まで歩き、地元の食材を使ったお弁当を食べるとのこと。
この日、実は雨の天気予報だったのですが、朝は小雨がぱらついていたものの、この頃には晴れ間が広がり、暑いほどの天気に。(いやー、ほんとわたし晴れ女なんです)
みんなフーフー言いながら、スキーで滑り降りると気持ち良さそうなけっこう急な坂道を30分ほど登りました。
そして福島で最初の食事はお弁当。
ツアー料金に含まれてるもので、ホカ弁ぐらいのものかなあとそれほど期待してなかったんですが、これがすごく美味しかった!
ちゃんとこだわった食材で丁寧につくられてるもので、夜の食事への期待が否が応でも膨らみます(もうそんなこと考えてるんかい笑)
お腹もいっぱいになり、帰りは道沿いに自生しているクロモジ探しと採取体験です。
クロモジって、背の高い大きな木を想像してたんですが、低木なんですね。
葉っぱが特徴的で、枝先に集まるように放射状についています。
日帰り参加の方たちは、自宅に飾るのか、たなばた飾りするの?ってぐらい大きな枝をたくさん採取してましたが、私はそうもいかず枝先を少しだけ。
細い枝は手で簡単に折れて、その切り口からクロモジの上品な香りが立ち上ってきました。
クロモジとすごくよく似た木でニオイコブシというのも生えていたのですが、こちらはクロモジよりさらに精油の抽出量が少なく、とても貴重なものなんだそうです。
さて、各々採取したクロモジを持って、いよいよ蒸留所の見学です。
山から麓へしばらく下ったところに、その小さな蒸留所はありました。
本などで見たことのある蒸留装置が3つほどあり、作業着姿のおじさんがひとり。すでにクロモジの精油の抽出作業が行われていました。
山で採取したクロモジは葉も実もついた木のまま、まずは破砕器にかけられます。
細かくなったものを乾燥させ、蒸留装置の上までいっぱいに入れて、下から蒸気をあてて蒸し、冷却することで油分(精油)と水分に分かれてシリンダー内に精油がたまっていきます。
蒸留所は扉もなく、開け放たれたところだったのですが、クロモジのいい香りがいっぱい。
すぐそばに山の連なりが見える場所で、こんなところで一日中いい香りを嗅ぎながら仕事をしている蒸留家のおじさんが心底うらやましくなりました。
シリンダーの上のほうに精油がたまっているのが見えるでしょうか。
たくさんのクロモジからとれる精油ってほんとに少ないんだ。
ということが目で見て実感でき、そりゃあ高価なはずだわーと納得。
とれたての精油はその場で1ml分ずつボトルに詰めてくださり、お土産にいただきました。
そして蒸留後の水分のほう、クロモジウォーター(芳香蒸留水)は絶えず流れ落ちていて、それも各自持参した容器に詰めて持ち帰ることができました。
クロモジウォーターは、水なのに常温で3年間保存できるんだそう。
クロモジの天然の抗菌作用で、それだけの長い期間品質が保たれることを実験で実証されたそうです。ほんと、ちゃんとしてるなー。
クロモジの特徴的な香り成分、リナロールがたっぷり含まれていて、これだけでも十分いい香り。
精油もウォーターも、香りが落ち着くまで熟成させると華やかでやさしい香りに変化するそうなので、1ヶ月後ぐらいに使うのが楽しみです。
蒸留体験の次はワークショップです。
会場の「ほしっぱの家」は南会津地域の農林業に関する取り組みに使われている交流施設で、地域の材木を使って建てられた、とてもきれいなところでした。
横並びで部屋が続き、至る所に現代アートの作家さんの作品が飾られていておしゃれ。
ワークショップでは南会津で採れた樹木や果実などの香りを嗅ぎ、自由にブレンドして自分だけの香りをつくりました。
クロモジをはじめ、ニオイコブシ、杉、赤松、朴(ほう)の木、ひのき、ひばといった南会津の豊かな森林で採れた精油に加え、柚子、檸檬、紫蘇、薄荷など。
わたしは普段、海外産の精油を使っていて、良くも悪くも「強い香り」に慣れているので、和精油の日本の香りは最初ちょっと物足りなく感じました。
最初にガツンとくる強さはなく、当たりはほんとにソフト。でも静かに広がって、あとにじわじわ残るというか。あとにくるほど、個性が際立ち、逆に強さを感じるのが不思議。
どれも余韻が長い、という印象を受けました。
いろんな精油をたっぷり嗅いで、たっぷり悩んでつくった、わたしのブレンドレシピはこちら。
「タイトル」秋のスキー場
使った精油:柚子、紫蘇、朴(ほう)の木、ニオイコブシ、ひのき
この日の思い出を香りに託してみました。
雪のない、晴れたスキー場の澄んで乾いた空気や、陽に照らされて揺れるすすき、山々の尾根。
樹木系がメインの香りだけど重くなく、柚子や紫蘇をアクセントに若々しくフレッシュな香りに仕上がったのではないかと自己満足😊
外を見るともう夕暮れになっていて、福島近隣や遠くは埼玉、横浜から来られた日帰り組のみなさんとはここでお別れ。
「ほしっぽの家」は宿泊施設でもあるので、1泊2日組の残り5名はここでお泊まりです。
なんせ宿泊費3000円ぽっきりだったので、相部屋は当然のこと雑魚寝すら覚悟してたのですが、ありがたいことにわたし一人に広い一部屋をあてがってもらえて感激。
そして夕飯には郷土料理が次々と出てきて、さらに地元の人ならではのセレクションで秘蔵の日本酒も。
いやね、「夜は日本酒もありますよ」とは聞いてましたが、それ目当ては私だけではなかったようで、泊まり組はみんな飲兵衛ばっかり笑
スタッフさんの心づくしのお料理とお酒をいただきながら、山間の静かな木の家で、夜はゆっくりと更けていきました。
というわけで、早朝から盛りだくさんだった一日目のレポートはここまで。
つづきはまたのちほどー^^
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