コロナ感染者数がついに1000人を超えた大阪。
その発表があった数日前の夕方、我が家にも残念な知らせが舞い込みました。
息子の会社から、社員のひとりがコロナに感染したとのこと。
息子は「斜め前に座ってる人」「ひとつ年下」と断片的な情報をぽつぽつと話すだけで、いつもとさほど変わらない様子。
まだ若い二十代の反応はこれがリアルなんでしょうね。
でも同居する50オーバーのわれわれ熟年夫婦には衝撃が走りました。
「濃厚接触者がうちに。。」
「とうとう来たか」と。
部屋を行き来する息子が途端に保菌者に思えて、マスクまではしないまでも、ちょっと距離をとったのはいうまでもありません。
感染したその社員さんは幸い軽症のようで、息子もまっとうに「PCR検査を受ける」というのでホッと一安心。
ですがここからが未知の世界のはじまり。
毎日あんなにコロナコロナと騒ぐニュースを目にし、いざという時がいつ来てもおかしくないと思っていたはずなのに。
実際はコロナに対する心の準備など、ひとっかけらもできてなかったのでした。
まず、濃厚接触者はPCR検査を受ける。そこまでは想像つきました。
でもじゃあどこで?
一刻も早く受けて、白黒はっきりして欲しい私は焦りました。
検査キットっていうのもよく目にするけど、あれは濃厚接触者はもう遅いよね。
とりあえず保健所に電話でしょう!
息子に進言すると「今は保健所じゃないみたい。かかりつけの病院だって」とネットですでに調べたらしい。
そうなん? かかりつけ医なんてもってない健康優良児の息子のために追加検索するおせっかいなオカン。
「濃厚接触」「PCR」「大阪」「どこで?」
以上のキーワードを打ち込むも、検索結果は高額なPCR検査を勧める広告や、他の地域のものばかりでぜんぜんピンポイントのものが出てこない。
どうなってんねん!
そうだ、厚労省は?
お上のサイトをのぞくも思った通り、とにかく回りくどく、知りたいことがぜんぜん見つからない。
うーん。。とにかく保健所に電話してみたら?
どうしても公共機関ファーストの古い慣習が抜けきれない私に押されて、息子は地元の保健所に渋々電話しました。
でも、いっこうにつながらない。
「明日、朝イチでここに行ってみる」
しばらくして息子が言ってきたのが大阪PCR検査センターでした。
ああ、この難波店ならいつも通る道にあるわ。
言われてからやっと気づくぼんやり加減。。そんなところも日頃どれだけ危機感なく過ごしてるかの表れです。。
とりあえず段取りは見えたので、息子には自室になるべくこもってもらい、念のため共同で触れたところは消毒をして翌朝を待ちました。
そして翌日、センターの営業は10時〜19時となってるけど、たぶん人が殺到してるだろうとオープン前に着くように出かけた息子。
すでに長蛇の列で1時間以上並んだものの、無事に検査を受けて帰ってきました。
話によると1日200名までで、最近は昼すぎにはもう規定数が終了し、シャッターが閉まってしまうとのこと。
・・・ぜんぜん追いついてないやん。PCR。
もしこれが外出もやっとで、長蛇の列に並ぶのも難しい老人だったらどうなるの?
中高年だってもし症状が出てしんどかったら、あれこれ情報を探したり、PCR検査を受けたり、病院に行っても長時間待たされて、なかなか入院できなかったらって考えただけでぞっとする。
しかも今までなら検査結果は当日または翌日には出たところが、何度webで確認してもまだで、実際にわかったのは三日後(陽性者にはweb確認でなく、先方から電話連絡が来るとのことでした)
こんなにかかるのは、それだけいろんな機関が回ってないのかも。。
「ひっ迫」という言葉を切実に、身に迫るものとして感じました。
検査の結果ですが幸い陰性で、こうしてなんとか無事に過ごせています。
これから同じような人は大勢出てくるのではないかと思われ、一例としてこの顛末をここに記録として書き残しておこうと思った次第です。
もし陽性だったら、それはもうこれどころではない大変な展開が待っていたのだと思います。
息子も陰性ではあったけど、潜伏期間を考えたらまだ今後の心配も残っています。
準備をしておくといっても、この未曾有の事態に今はほんとにみんなが手探り状態で、情報も錯綜していて、正直もうその立場になってみないとわからない。
ということがよくわかりました。
コロナコロナと騒ぎすぎ、という声も時折りSNSで目にしますが、無責任な発言で人を油断させるのはやめてほしい。
リスクはすぐそばまで来てる。
なったが最後、簡単にはいかない。
それだけはもう、心しておいたほうがいいと思います。
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